☆【 2023年 も、皆様よろしくお願いいたします】
☆今年も、限られた時の中で〘最高の竿〙を携えて最高のトラウトとのやりとりを、全身全霊で楽しみたいと“ 想い ”ます!!
皆様にも、そうしていただけたら幸甚の至です。
☆《 竹の乾燥方法 》
では、今回は以前に「予告」させてもらっていた通り《竹の乾燥方法》について書かせてください!!
✧まず、どうして これを お伝えするのか?
それは、ナカロッドが提言する『脈竿』を作るために、どんな努力をしているのか「良い竿の『素質や要素』を」どうやって宿らせているのかを、知ってもらうために書くこと(を目的)にしました。
✧最近のナカロッドの竹乾燥の「手法」を書かせてください!
1、『急』を嫌う!
「竹は生き物」なので当然 “ 急 ” に「熱したり」「冷やしたり」・「環境の変化」はストレスとなるから避けるようにしています!!
⦅劣化を早めてしまうことになるので…⦆
2、手法・手順です!
⑴ 「淡竹」を切り出した後の手順 等。
⦅約1.8メールに各区分断した竹を、どう扱うかで竿としての将来を左右してしまいます。まずは濡れ雑巾で綺麗に拭いてから、以下の作業を進めてまいります⦆
①「サンテラス」で干す。
昔は屋外で「さらし干し」をしていましたが、これも急に太陽の「熱」や「紫外線」に当てることになるので、今では「間接的な環境下」で「ゆっくり徐々に」丈夫な竹に仕上げています。
⦅フィルターを通した囲いの中なら、ムラなく紫外線や温度調節・管理がしやすく雨風や虫の侵入を防ぐことがでるので理想的です⦆
②頭を下にして数日干す。
切り出した竹からは、けっこうな水が出ます。
これをしっかり抜くため、数日は頭(先の方)を下にしておきます。
⦅養水分が頭に向かっていく竹の構造だから、下に向けることで排出を助けます⦆
③水が出なくなったら、頭を上に戻します。
本来の竹の向きで水分を上に「揮発」させます。
⦅屋内での「半・さらし干し」状態を続けていきます⦆
④竹割りをします。
間接的であっても太陽の熱で、竹の中は蒸されてしまいます。
⦅一月の中京圏で、日中に割ってみてもムレた蒸気が出てきます=腐りシミやカビの原因になる⦆
よって、「二等分」「三等分」「四等分」など 竿のスペックに応じて割ります。
⦅乾燥を促すことで虫のシーズンに対応できます⦆
⦅丸竹にもスパインがあるので割目を選定します⦆
⑤節の「内蓋」を取ります。
このように竹を早めに「割って」「内ぶたを取る」ことにより、竹自体が開いてくれます。
⦅乾燥と共に丸みがゆるまって平滑に近づいてきてくれるので、強度のある表面ファイバーを 最大限に残しつつ、丈夫で美しいブランク〔竹柄の表面繊維〕を反映させることができます⦆
⑥向きを変えながら「まんべんなく」干す。
竹は割いてあるので、ムラなく紫外線が当たるように手入れをする。
⦅内側にも紫外線を当てられるから、締りのある硬度な素質を育くめます⦆
⑦春には「室内干し」にする。
「日差しも強く」なって、「虫の時期に」なる前に竹を「室内」に移し緩やかに(風通しを良くして)乾燥をさせていきます。
⑵ 数年の乾燥が終われば、時期と状態をみて竿にします。
竿にしていく際は、当然『焼入』もします。
細かく削られたスプリット竹には、今迄と同様に「急を避けつつ」炙りによっても強度を上げていきます。
とにかく、「徐々に徐々に」です。
以上が、ひと通りの手順となり、竹の調子をみながらの「すべてのタイミング」が大切なポイントとなります。
3、その他
⑴時には、竿の「目的に応じて」切り出した後「割る前の丸竹」を『油抜き』する場合もあります。
おもて表面のみを炙って、油を出させて拭き伸ばす作業です。
一氣に、強熱を当てることがないよう、これも徐々にムラなくが鉄則です。
⦅そんな竹は「 のこぎりの 刃 」が「すぐにダメ」になるくらい“パリン”と固く丈夫です⦆
⑵余談ですが「蒸した竹は『籠』を作るのには “柔らかくて良い” が『竿』には “フニャフニャ”
で向いてない」と竹屋さんに教わったことがあります。
ナカロッドも同感するところで、自家栽培の「炙り竹にこだわり」、 ☓蒸れた竹を避ける理由がそこにあります。
以上ですが、昔からの技法を継承しつつ新たな手法で完成度を高めていく、それが竿に対する「愛おしさ」につながるのではないかと信じています。
では、またの更新を楽しみにしていてください。
ナカロッド中島