「至極のブランク」について

「至極のブランク」について

2023年4月吉日

 

第1、「至極のブランク」とは?

ほかの所でも書かせていただいてますが、当方のブランク(竹竿のベース)は六角の棒状に貼り合わせた後には「熱を当てての曲がり直し」は一切しておりません!!

それは、言うまでもなく六本の三角スプリットを(テーパーを伴ったうえで)真っ直ぐ、均等な長さで貼り合わせることができるからです。

これによって

  1. 不要な補正の曲がり直し作業を省くことができ、コスト抑制の利を、お客様にも反映できる。
  2. 加熱による接着面の“緩み・腰抜け、剥離”の心配がなく丈夫である。
  3. 何よりも精度が高く歪みの少ないブランクであるから、アクションを損なわないレベルで的確高度に[ブレ取り作業]が施せる。

という利点が生まれるのです。

 

第2、「至極のブランク」を生み出す秘策

1、基本・本質

「至極のブランク」を作る秘策は、使用する竹を選択する時点から始まっていて、様々な原理法則を用いながら『基本以上の基本』に徹して、形だけのものでなく『脈竿』を作るという強い信念により叶えます。

その極意は『氣察識用』で、人間に与えられたすばらしい感覚を駆使しながら、そこで得られた何らかのメッセージを汲み取り、それをヒントに他の人がやらないような施策を加味し「工夫を重ねる」ことで成果を生み出しています。

決して高額で精巧な機械が必要というわけではなく、あくまでも人間の感性を軸として、ハンドメイドだからこそ具現化できるものであり、それを手にした人の感性にも波動するのです。

2、具体例「曲がり直し」

当方でも「熱を当てての曲がり直し」は、三角のスプリットを完成させるまでは定石通りおこないます。(火入れも当然おこなっています)

中でも節の曲がり直しがネックですが「成形した万力」等を用いることにより、できるだけ真っ直ぐなファイバーを通すように努めています。

万力の活用は「プレスするためではないです」あくまでも、竹の節は盛り上がり、その両脇は窪んでいるので、それらを入れ替えるように平らにするのです。

どうして圧縮してはダメかというと、後々湿氣が戻るようなことがあった場合、その節部分が復活(膨張)して竿が曲がってきてしまうからなのです。

3、道具

(1) 万力の構造

利用する万力の挟み形状は、竹の表面が接する部分は緩やかに膨らませ、裏面が接する部分は相応して窪ませています。

その深さは、使用する淡竹に合わせて加工してあります。挟み面の幅は40ミリぐらいの小柄なもので、何よりも「なめらかな動きで締め付け感度が良いもの」を使用しています。

(2) 道具も工夫次第

製作の目的が明確なら、使う道具や手法も理に適ったものになってきます、テコの原理を利用するものなど、やり方は工夫次第で色々です。

 

第3、その他

まだまだ良いものが、楽しいものが作れるはずです!!

今回は、曲がり直しを一例にしましたが、配慮すべき点は山ほどあります。

今後も是非、覗いて見てください!!

ナカロッド 中島広喜