ループ・トゥー・ループ

ループ・トゥー・ループ

2023年6月吉日

 

今回は、ラインの「結束方法」について書かせてください。

 

1、便利なラインの連結方法『 ループ・トゥー・ループ 』

写真のとおり「ライン」と「リーダー」(等)を連結する呼称ですが「ループ(輪軸)」がスリムな形状のものを望まれる方が多いのではないでしょうか?

もともと「ループ・トゥー・ループ」の「輪軸は大きく太くなりがち」で連結部分が膨らむから、繊細な低番手のロッドなんかに使用するのを躊躇される方もみえるのではないでしょうか?

 

2、よく考えてみてください。。。

『細くて丈夫なループを自作されてはどうでしょう?』

フライタイイングに比べればとっても簡単です。

そもそも当方が自作しようと思ったきっかけは、せっかく「 倒せばラインが外に外に出ていくロッド 」を作っても『 ライン自体が引っかかっていてはもったいない 』との邂逅でした。。

そんな経緯から、現在も利用しているループの形が写真のようなものです。

 

3、利点

(1)スリムで引っかかりがない

ご覧いただいたとおりループが閉じてて「結び目」や「輪軸」がスリムでコンパクトなことをご理解いただけると思います。

これなら、ガイドに引っかかりにくいですよね!

これは、「鮎つり」の経験を生かし「仕掛け糸」や「根巻き糸」を流用して作ってるもので、細いけど丈夫で種類も豊富で有用です。

(2)リーダーを詰めたいときは?

Q、釣りの現場でリーダーを短く詰めたいときはどうするの?

A、短いループ付きリーダーが間に合わなかった場合は「ライン側のループにダイレクトに好きな長さで結び付けてください」そして、余りを切ってもらえば完了です。

結束方法は「ユニノット」とかであれば雨風悪条件のときでも簡単に早くスマートに結べるし、キャステイングしてれば遠心力で結び目が締まるのでラインの流れが乱れにくいです。

(3)リーダー交換 

ユニノットでリーダーをラインのループに直接結びつけてしまっても、リーダー側を切り捨てれば「ラインのループは損傷なく」継続して新しリーダーを付け替えられます。

ループを付けたラインやリーダーは、在宅時に余裕をもって製作できます。

あらかじめ準備しておけば「川であわてることがなく」何よりも「すぐに交換できる」のが嬉しいですよね!

(4)ラインが長持ちする

ループの効用で、直結した場合のような「リーダー交換のたびにラインが切り詰められて短くなっていってしまう弊害」がないです。

それによって「ライン自体を長持ちさせられる」「振り感も変わらずデーター収集など一貫性を保てる」等の利点が生まれるのです。

 

4、作り方

  1. 使用する「ラインの番手や種類」に応じて「細い糸(仕掛け糸等)をそれに適した本数でより合わせた後」二つ折りにしてループを作ります。
    そのループの両端側をラインやリーダーの取り付け部位にバランス良く被せたうえで「細い根巻き糸」で巻きとめるというやり方をします。
    根巻糸の巻き方は、ぐるぐる巻くのもいいですが、一周ごととかで「ハーフヒッチ」(絞め閉じ)を入れていくと時間はかかりますが一層強固に抜けにくい状態にできます。
  2. ループの糸に決まりはありません「糸の種類」と「より合わせの本数」や「止め幅」を工夫すれば「どんなラインやリーダーにも」対応できます。(大物狙いの時は、巻きつける幅を長く取れば一層強固に抜けなくなります)
  3. ポイントとしては「ライン」と「リーダー」双方のループを同じ素材で作ることでバランス良く「脈絡感」がでるのです。

 

5、策案

もし、実釣においてループとループを連結した部分が「くの字に折れ曲がる」ようであれば、輪軸の本数を増やしたり、ループが完成した後に瞬間接着剤で固めてから連結させればラインとリーダー同様の「張り」を保つことができます。

もちろん大物がかかった時に「ループが抜け取れないように」ラインとリーダーの取り付け部分にはあらかじめ「滑り止め目的のサンディングや細かい切り込みを入れて」食いつきをよくするなどの工夫を施してから巻きつけると良いです。

 

6、「あるある」ですが、、、

魚をリリースした後に、氣が付いたら流れにラインがさらわれて竿のガイドからラインが足元に抜け落ちてしまったなどという経験はどなたもおもちですよね。

そんなとき、もしトップガイド以上(外)にフライが留まってくれていたら、一度ラインが外に出ていくように竿を振ってみてください(竿の番手やテーパーにもよりますが)ラインがスルスルと外に出ていくならいいのですが、そのラインとリーダーの「結束部分がガイドに引っかかる」ようでしたら今回の連結方法を是非お試しいただきたいです。

 

7、最後に

今回の結束方法は、バンブーロッドのみならず、様々なロッドを『氣持ちよく快適にお使い頂きたい』という願いから一つの方法をご紹介させていただいた次第です。

「ドライ」か「ウェット」かの使用するライン同様に「色々な素材」でループを試していただきたいと思います。

 

是非、工夫してみてください!

ナカロッド 中島広喜