竹竿は生き続けます

バランス

ロッド添付の冊子にも書いてありますが、バランスが取れてくるとスパインが真直ぐ通ってきて手にしただけで非常に軽くブレ等が少なくなってきます、理屈よりも振っていただければ一目瞭然でフライの軌道からも実感していただけることと思います。
スパインにこだわれるのは「6つの面」がある、六角バンブーロッドの成せる技です。
ここにバンブーロッドの未来があると感じております。
全モデルが楽しく振れる良いものであることを絶対条件として、このバランスの作業は非常に労力と時間がかかることから、これらの工程量とデザインに応じて、まだまだ対価ではありませんが各モデルの値段設定をしております。
あくまでも生きた竹で作ることから性格があります、お客様にとっては大切な『一会』となりますので、モデルの均一化も大切にしていますが、それ以上に「一本としての完成度」を高めるよう努めております。

全ての根本は『バランス』です。

 

ブランクの曲り直しについて

バンブーロッドはスプリットを貼り合わせて一本のブランクを作るわけですが、この貼り合わせが悪いと後でブランクの曲り直しをすることとなります。
この作業は熱を加えることにより曲がりを修正するわけで、ビルダーの間では定石となっている作業ではありますが、これをやればやるほどシャフトの強度は弱まり最悪の場合は剥離を招きます。
よって、当方では「貼り合わせた形がロッドの一生」という信条をもって取り組んでおります。
いくら熱を加えて曲り直しをしてもスプリットの癖があるため、時間の経過と共に貼り合わせた時の形に戻ろうとする性格は変わりありません。
これらのことを踏まえて、後々に曲がりが生じることが無いように、まずは貼り合わせまでの基本的な作業に最善を尽くすようにしています。
これにより行年劣化に対しても強く張りが保てて、万が一釣行にて持主の癖が付いたとしても、時間経過とともにロッドが呼吸して(塗装にも配意)水分が戻ることにより貼り合せたときの真直ぐな状態に戻ってくれるというのを理想として考えております。

竹竿は生き続けます・・・・

<平成21年NAKAROD>